昭和史を刻む邸宅、萩外荘(近衛文麿旧宅)

萩外荘(近衛文麿旧宅)について
東京都杉並区にある「萩外荘」は、近衛文麿旧宅として知られる歴史的名邸です。近衛文麿は昭和期の政治家として日本の重要な時期に活動した人物であり、その邸宅は彼の生活や文化的背景を今に伝える貴重な建築物です。
建物は和風の落ち着いた意匠を基調としつつ、洋の要素を取り入れた数寄屋風の造りで、漆喰壁や木造の梁組みなど、細部に至る職人技が光ります。内部は書院造りの落ち着いた空間が広がり、歴史を感じながら邸宅の美を堪能できます。
近衛文麿(1891~1945)は昭和期の政治家で、内閣総理大臣を三度務め、日本の戦前・戦中期の政治に携わりました。皇族や華族出身のエリートとして育ち、国家総動員法の成立や日中戦争への対応、日独伊三国同盟の締結など、日本の政策に関与しました。

客間
1940年7月19日、日中戦争が長期化する中、近衛文麿旧宅の客間に政治家や官僚が集まり、日本の外交方針や国内外の課題について協議した荻窪会談は行われました。会談は15:00~18:30まで行われ、前には東洋軒のレモンティとアイスクリームが振る舞われ、終了後には食堂で夕食をとったことが当時の新聞にも記されています。

応接室は中国風の意匠

天井には龍

応接室 照明

床にも龍の敷瓦

扉のガラス格子が可愛い

食堂

食堂 床

廊下の格子窓

書斎
1945年(昭和20年)12月16日早朝、近衛文麿はこの部屋で自決しました。以来、室内は改変されることなく、当時の様子を今にとどめています。
萩外荘(近衛文麿旧宅)の詳細
| 所在 | 東京都杉並区荻窪2-43-36 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6383-5711 |
| 営業時間 | 9:00〜17:00(最終入園16:30) |
| 休業日 | 水曜日、年末年始(12/29-1/1) |
| 料金 | 大人300円、小・中学生150円(就学前の子どもは無料) |
| アクセス | JR中央線・総武線・東京メトロ丸ノ内線「荻窪駅」より徒歩15分 |
| URL | 荻窪三庭園 |
