明治初期の建築意匠が残る、旧藤波家住宅
八潮市立資料館(旧藤波家住宅)について
埼玉県八潮市にある「旧藤波家住宅」を訪問しました。旧藤波家は明治初期の建築様式や意匠が残る建造物として、八潮市指定文化財に指定されています。直屋造りで、屋根は入母屋造り瓦葺きの大規模民家を見て来ました。
藤波家は近世初頭(1600年頃)に土着した開発名主(土地を開墾して自分の土地にした有力農民)でした。
建物は、1876(明治)9年建築されたもので、瓦葺で外壁を黒漆喰仕上げとしたのは、江戸市中の土蔵造りの町屋意匠を模倣しています。
直屋(平面が長方形の民家)のみ復元して、保存、公開されています。
⇔曲屋(L字型平面形をもつ農村家屋)
囲炉裏
長火鉢
木炭が利用されるようになった江戸時代から明治にかけて庶民に普及した火鉢。火鉢を囲みお茶を飲んだり、暖を取りながら談笑したりしました。インテリアのように発達し、引き出しがついて食卓にもなります。
3種類の天井
竿縁天井
接客空間としてお客様をおもてなしする部屋の天井は、部屋を広くするために、高く、きれいな造りになっています。
根太天井
上の階の床を支える厚い床板(根太)を、下の階の天井にしています。日常生活を支える丈夫な造りになっています。
簀子天井
土間の天井は、竹を束ねた簀子天井が張られています。空いている箇所は荷物を下ろすために使われたと考えられています。
釘隠し
釘の頭を隠すためにつけられた装飾を「釘隠し」と言います。3種類の釘隠しがありました。
釘隠し
釘隠し
釘隠し
欄干
欄間は光や風を通し、目を楽しませる飾りとして日本の建築物の部屋の上の方に取り付けられます。
書院欄間
欄間
玄関や庭
上客専用の玄関です。(式台玄関")
天水甕
井戸の水質が悪かったため、飲料水に用いられました。昭和30年代に水道が敷設されるまで天水が用いられました。
庭
八潮市立資料館(旧藤波家住宅)の詳細
所在 | 埼玉県八潮市南後谷763-54 |
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電話番号 | 048-997-6666 |
営業時間 | 9:00~15:45 |
休業日 | 月曜日、6月24日(火)~6月26日(木) |
料金 | 無料 |
アクセス | 東武スカイツリーライン「草加駅」東口より徒歩25分 つくばエクスプレス「八潮駅」北口よりバス(柳之宮経由草加駅東口行)で「後谷住宅前」バス停下車、徒歩3分 |