押し入り対策の抜け道がある町屋建築、太田家住宅
太田家住宅について
埼玉県八潮市にある「太田家住宅」を訪問しました。建てられた年代は分かっていませんが、意匠的・構造的な特徴からは、明治中頃の再建と考えられています。
地図(青マーク)
もとは川のそばにあり、八條の渡しの前で、1階では今でいうコンビニのような米問屋(茶屋、酒屋)、2階では宿(旅籠)を営んでいました。川沿いの開発により現在の場所に復元されました。
昔のレジ
昔のレジスター。上からお金を入れますが、上から手を入れても盗まれないようになっています。店じまいの時には、帳簿とレジとのお金が合ってるか確認したそうです。
階段に謎の隙間が
階段には、子供が誤って落ちてしまいそうな空間がワザト作られていました。これは、宿に止まっている人の食事を配膳するための空間でした。
江戸時代、上から人を見下ろすとは無礼ということで、2階を作ることは許可制でした。地位のある者しか泊まることができませんでした。庶民は野宿や、お寺さんの軒先で一晩明かすというのが通常でした。
第一の扉
商家ならではの家の造りが面白いです。押し入り(いわゆる強盗)が入った際の工夫が施されています。その第一関門とされるのが、シャッター付の店の扉です。
抜け道
2階には抜け道があります。狭いですが、昔の人の骨格であれば通れたそうです。
第二の扉
第二の扉は、鍵の閉まる扉でシャッターを突破してしまった押し入りを留まらせます。
抜け道の出口は第二の扉の中にあります。
押し入りを刺すための、やりも準備されていました。
第三の扉
ここも鍵付きです。太田家夫妻の寝室として使われていました。
第四の扉(金庫)
夫婦の寝室には金庫が置いてありました。ここまで押し入りがたどり着くまでの間に、町方同心がやって来て捕まえるという計算になっています。
梁
木を四角く加工することなく木一本丸ごと使って真っすぐに建てられました。また、釘を使わず組み合わせて建てられています。まさに職人技です。
蔵
太田家住宅の詳細
所在 | 埼玉県八潮市八條3732 |
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電話番号 | 048-997-6666(八潮市教育部 文化財保護課 文化財保護係) |
営業時間 | 第3土曜日 10:00~14:00 ※公開日と時間にお気を付けください。 |
料金 | 無料 |
アクセス | つくばエクスプレス八潮駅北口から八潮市コミュニティバス北ルート「和平橋」または「幸之宮橋」下車徒歩4分 |
URL | 八潮市内文化財建造物の公開 |