明治の上流階級の別荘文化を体感、清閑亭

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清閑亭(旧・黒田長成別邸)について
神奈川県小田原足にある清閑亭は、明治・大正期に活躍した旧福岡藩主・黒田家の侯爵、黒田長成の別邸として1906(明治39)年に建てられました。小田原・御幸の浜を望む高台に位置し、相模湾を一望する絶景と、数寄屋風の品格ある和風建築が魅力です。
黒田長成は明治から昭和初期にかけて活躍した日本の政治家で、華族(侯爵)としても知られています。戦国時代の名将・黒田官兵衛を祖先に持ち、政界で活躍しました。日露戦争の勝利を受けて得た報奨金で、彼は小田原に別荘「清閑亭」を建てました。当時、小田原は日本有数の大別荘地として栄えていました。
建物は国登録有形文化財に指定され、庭園とともに往時の趣を伝えています。現在は一般公開され、歴史的建築の鑑賞はもちろん、ランチ、ディナー、カフェ利用など多彩な楽しみ方ができます。小田原の海と歴史を感じる静かな空間として、多くの人に親しまれています。

組子天井
お茶の間の天井には、木材を組み合わせて模様を作り出す伝統的な技法「組子天井」が施されています。お茶の間で抹茶ではなく、テーブルを置いて紅茶を飲むなど、当時としてはお洒落でモダンなスタイルを好んでいたそうです。

修復・再生プロジェクト
2024年2月、清閑亭のふすまに新たな絵が描かれる取り組みが行われました。このプロジェクトは、江戸時代の絵師が一宿一飯のお礼にふすまに絵を描いたような伝統を現代に再現しようというものです。この取り組みでは、画家5人が42面のふすまに松や梅、白鷹などを描き上げました。また、テーブルで食事するために視点を高めに想定する工夫もされました。

ふすま
清閑亭のふすまは、古い箇所と新しく塗り直された部分がわかるようになっています。

2階
後に2階部分は増築されました。増築された2階部分には、長成氏の趣味や嗜好が反映された設計が施されており、当時の上流階級の生活様式を感じることができます。

眺望
天気が良い日には、2階の部屋や縁側からは小田原の自然豊かな景色や庭園を一望でき、海や山の風景を取り入れながら、静かで落ち着いた時間を過ごしていたかもしれません…。

蔵カフェ
昭和時代の蔵をリノベーションした、木の温もりと落ち着いた雰囲気が漂う空間です。着物姿のスタッフがもてなしてくれるのも和を感じます。

蔵カフェ 店内

蔵カフェ 甘味

水出し珈琲(冷) お菓子付き

庭園
蔵カフェからは、日本庭園が見えます。枯山水や築山泉水回遊式庭園の要素が見られ、自然の景観を模倣しつつ、人工的な美を追求しています。また、庭園内には池や石組み、苔などが配置され、静寂と調和を感じさせる空間が広がっています。

蔵カフェ 外観
清閑亭(旧・黒田長成別邸)の詳細
| 所在 | 神奈川県小田原市南町1-5-73 |
|---|---|
| 電話番号 | 050-1809-2213 |
| 営業時間 | 【昼の部】11:00~15:00(L.O.14:00) 【夜の部】17:00~21:00(L.O.19:00) 【蔵カフェ】 11:00~17:00 ※日曜は【昼の部】のみの営業(蔵cafeは通常営業) |
| 休業日 | 水曜日(※水曜祝日の場合、翌木曜日がお休みとなります。) |
| 料金 | 施設保全協力金550円 |
| アクセス | 小田原駅東口から徒歩15分(1.3km) |
| URL | 【公式】 - 小田原別邸料理 清閑亭【旧・黒田長成侯爵別邸】 |

