静岡県 韮山反射炉

韮山反射炉について

韮山反射炉は、明治日本の産業革命遺産として世界遺産に登録されています。19世紀の半ばから20世紀初頭にかけて、蘭書を片手に試行錯誤で鉄製大砲鋳造や様式船の模倣から始まり、植民地となることなく急速な産業化を成し遂げました。

1840年アヘン戦争を契機に列強諸国に対抗するために、薩摩藩や佐賀藩などが西洋の先進的な技術の導入が行われるようになりました。韮山代官江川英龍も海防政策の一つとして、幕府に鉄製大砲を鋳造するために必要とされる反射炉の建設を進言していました。1853年、ペリー艦隊の来航を受け幕府も海防体制の強化に乗り出し、江川英龍を責任者として、反射炉と品川台場の築造が決定されました。平和に対等に外交をするために軍備を進めることが必要でした。

1855年、江川英龍が死去してしまったため、跡を継いだ息子の江川英敏が築造を進め、韮山反射炉は、1857年11月に完成しました。煉瓦の建造物は当時の日本にはなかったため、瓦職人に耐火煉瓦を焼かせ設計通りに積み上げ、蘭学の知識を身に着けた役人が監督して完成させました。反射炉とは、銑鉄を溶かして優良な鉄を生産するための炉のことです。銑鉄を溶かすためには千数百度の高温が必要でした。石炭などを燃料として発生させた熱や炎を反射させ銑鉄に集中させることで高温を実現させる構造となっています。また高い煙突により沢山の空気を取り込み大量の銑鉄を溶かしました。熱や炎を反射させる仕組みがあるので、”反射炉”と呼ばれました。

1864年に幕府直営反射炉として役割を終えるまでに鉄製18ポンドガン砲などの西洋式大砲が鋳造されました。 韮山反射炉は稼働を終えると、150年以上にわたり地域住民の理解や協力のもと補修・修理工事を重ね、保存されてきました。日本に現存する反射炉は韮山反射炉と萩反射炉のみで非常に貴重な遺産です。

韮山反射炉の詳細

住所 静岡県伊豆の国市中260-1
電話番号 055-949-3450
営業時間 3月から9月 / 9:00~17:00、10月から2月 / 9:00~16:30
休業日 毎月第三水曜日、年末年始(12月31日~1月1日)
料金 大人500円、小中学生50円
アクセス JR三島駅乗換え、伊豆箱根鉄道駿豆線伊豆長岡駅下車、タクシーで5分、レンタサイクルで10分、徒歩25分

韮山反射炉の地図