旧土岐子爵家住宅洋館

旧土岐子爵家住宅洋館(大正ロマンエリア)について

群馬県沼田市にある洋館「旧土岐子爵家住宅洋館」を訪問しました。大正ロマンエリアにある洋館のうちの一つです。

持主は、土岐頼知(最後の沼田藩主)の7男・土岐章氏です。明治30年代に財産を失い、土岐家は破綻しました。そこで、赤坂の屋敷と沼田の別邸を売り払い北千住で庶民として再出発する事になりました。

土岐章氏は東京大学で発酵学を学び、仲間とパンの製造販売業を立ち上げました。事業は上手くいかなかったものの、日本のパン業界の縁は深くなりました。どこでもパンを食べ、「パン殿様」と呼ばれるほどのパン好きで知られています。

また、妻の実家であったハチブドー酒を扱う近藤利兵衛の近藤商会に入社し、ドイツに留学しました。そこで、イースト菌の研究を学びました。そして、ドイツ留学中に関東大震災が起こり自宅が被災し、大正13年、渋谷区に邸宅を建立しました。この邸宅は1990年に群馬県沼田市に移築されました。

設計は伊藤平三郎、施工は森田錠三郎が担当しました。ドイツに留学した経験からか、当時のドイツで流行していたユーゲント・シュティール様式を基調としています。

旧土岐子爵家住宅洋館 牛の目 窓
牛の目 窓

屋根の勾配がきついのがドイツ建築の特徴で、屋根裏に取り付けられた窓は、「牛の目窓」と呼ばれています。屋根を大きくすることによって屋根裏部屋ができ、勾配をきつくすることによって防雪効果の機能が備わっています。

旧土岐子爵家住宅洋館 ステンドグラス
竣工当時流行していた幾何学模様のステンドグラス

旧土岐子爵家住宅洋館 竹林の7賢人
竹林の7賢人

玄関前にあるパネルは「竹林の7賢人(中国の晋のころ俗世間を避け竹林に集まって酒を酌み交わし、清談をしたといわれる7人の隠者のこと)」になぞられています。

大正末期から昭和初期にかけて活躍した、高橋是清(第20代内閣総理大臣)、犬養毅(第29代内閣総理大臣)、浜口雄幸(第27代内閣総理大臣)、若槻礼次郎(第25・28代内閣総理大臣)、尾崎幸雄、東宮平八郎、渋沢栄一が刻まれています。

旧土岐子爵家住宅洋館 1階応接間
1階応接間

玄関広間を抜けると応接間があります。玄関近くに応接間があるのは大正期洋風建築の特徴です。

旧土岐子爵家住宅洋館 2階玄関ホール
2階玄関ホール

広めの階段ホールになっています。写真右側が書斎、左側が和室です。

旧土岐子爵家住宅洋館 エントランス
エントランス

ドアの上部に天使が描かれています。

旧土岐子爵家住宅洋館の詳細

所在 群馬県沼田市上之町840
電話番号 0278-23-4766
営業時間 9:00~17:00
休業日 毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は木曜日)、祝日法による休日の翌日、年末年始(12月29日から1月3日)
料金 大人110円、中学生以下無料
アクセス 上越線沼田駅から徒歩で20分

旧沼田貯蓄銀行(大正ロマンエリア)

旧沼田貯蓄銀行

沼田貯蓄銀行は、明治31年(1898)11月7日に開業しました。この建物は、明治41(1908)年頃建てられたと考えられています。木造2階建寄棟造桟瓦葺きの擬洋風建造物です。

旧沼田貯蓄銀行の詳細

所在 群馬県沼田市上之町1155−1
電話番号 0278-23-7565
営業時間 9:30~17:00
休業日 毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は木曜日)、祝日法による休日の翌日、年末年始(12月29日から1月3日)
料金 無料
アクセス 上越線沼田駅から徒歩で20分

旧日本基督教団沼田教会記念堂(大正ロマンエリア)

旧日本基督教団沼田教会記念堂

登録有形文化財です。設計者は小菅幸之助が担当しました。大正3年(1914)に生糸貿易を行った星野光多(牧師)・星野あい(津田塾大学長・沼田市名誉市民)等によって建てられました。大正期の洋風建築で群馬県のキリスト教会建築として3番目に古い建物です。

縦長のギロチン窓(上げ下げできる窓)や急こう配の屋根が特徴です。

旧日本基督教団沼田教会記念堂の詳細

所在 群馬県沼田市上之町1159-1
電話番号 0278-22-3110
営業時間 9:30~17:00
休業日 毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は木曜日)、祝日法による休日の翌日、年末年始(12月29日から1月3日)
料金 無料
アクセス 上越線沼田駅から徒歩で20分

大正ロマンエリアの地図

旧土岐子爵家住宅洋館へ行くおすすめコース

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